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フリーランス・個人事業主が使える社会保障・給付金まとめ【2026年版】

公開: 2026年4月26日 読了 約7分 補助金ナビ編集部

会社員と違って手薄になりがちなフリーランスの社会保障。国民健康保険・国民年金の減免、出産・育児・廃業時の給付、共済の活用まで、自営業者向けに使える制度を網羅的に整理しました。

フリーランスは「自分で備える」必要がある

会社員には傷病手当金・育児休業給付金・失業手当・厚生年金が用意されていますが、フリーランス(個人事業主・自営業)にはこれらの多くがありません。

ただし、国民健康保険・国民年金の減免制度や、個人事業主向けの共済制度を活用すれば、ある程度の備えは可能です。この記事では、フリーランスが使える社会保障・給付金を網羅的に整理します。

1. 国民健康保険の減免・軽減

所得が少ない年は保険料が軽減される

国民健康保険には所得に応じた法定軽減があります。

所得(世帯合計)軽減割合
43万円以下7割軽減
43万円 + 29万5千円 × 加入者数 以下5割軽減
43万円 + 54万5千円 × 加入者数 以下2割軽減

申請は不要で、確定申告をもとに自動適用されます。ただし確定申告をしないと適用されないので、所得がゼロでも申告は必須です。

出産時は産前産後4か月の保険料免除

2024年1月から、国民健康保険でも産前産後の保険料免除が始まりました。

  • 対象: 出産予定日または出産月の前月から4か月分
  • 多胎妊娠: 6か月分
  • 申請先: お住まいの市区町村
  • 必要書類: 母子健康手帳のコピー等

会社員の産休・育休と同等の扱いに近づきました。申請しないと免除されないので忘れずに。

災害・廃業・失業時の減免

災害で家屋に損害を受けた、廃業した、所得が大きく減ったなどの場合、市区町村に申請すると保険料が減免されることがあります。基準は自治体ごとに違うため、収入が前年比50%以上減った場合は窓口で相談してください。

2. 国民年金の免除・納付猶予

4種類の免除区分

所得に応じて国民年金保険料が免除されます。

区分月額受給時の反映
全額免除0円1/2を納付したと同等
3/4免除4,250円5/8を納付したと同等
半額免除8,490円6/8を納付したと同等
1/4免除12,740円7/8を納付したと同等

※ 月額は2025年度の本来額16,980円基準

学生納付特例・納付猶予制度

20代のフリーランスで学生でない場合は「納付猶予制度」が使えます。50歳未満が対象で、本人と配偶者の所得が一定以下なら保険料納付が猶予されます。ただし将来の年金額には反映されないので、後で追納するのが理想です。

産前産後免除(自動的に「納付済み」扱い)

国民年金には産前産後の保険料免除があります。

  • 対象: 出産予定月の前月から4か月(多胎は6か月)
  • 保険料: 免除(=支払う必要なし)
  • 将来の年金: 満額納付したものとして扱われる(追納不要)
  • 申請: 必要(市区町村)

国民健康保険の産前産後免除と一緒に手続きできます。

3. 出産・育児関連の給付(フリーランス対象)

出産育児一時金(50万円)

健康保険の被保険者であれば、フリーランスでも国民健康保険から50万円の一時金が支給されます。会社員の健康保険組合と同額です。

出産・子育て応援交付金(10万円)

国の制度で、フリーランスも会社員も同額。

  • 妊娠届出時: 5万円相当
  • 出生届出後: 5万円相当

育児休業給付金は対象外

雇用保険の給付なので、フリーランスは対象外です。育児中の収入確保は事前に貯蓄するか、後述の共済制度で備える必要があります。

自治体の出産助成金

渋谷区のハッピーマザー出産助成金(10万円)など、自治体独自の支援は会社員と同条件で受給できます。お住まいの自治体の制度を必ず確認してください。

4. 廃業・休業時の備え

小規模企業共済(廃業時の退職金)

中小機構が運営する個人事業主・小規模法人役員向けの退職金制度です。

  • 掛金: 月1,000〜70,000円(自由に設定可能)
  • 税制優遇: 掛金は全額所得控除
  • 受け取り: 廃業・退職時に退職金として一時受取(退職所得扱いで税負担軽減)

廃業時の生活費や次の事業の準備金として、最も使われている自営業者向け備えです。月7万円積めば年84万円が所得控除になり、所得税・住民税が大幅に減ります。

経営セーフティ共済(取引先倒産時)

中小機構の倒産防止共済です。

  • 掛金: 月5,000〜200,000円
  • 借入可能額: 掛金総額の10倍まで
  • 税制優遇: 掛金は全額損金算入

取引先の倒産で売掛金が回収できなくなった際、無担保・無保証で最大8,000万円まで借りられます。倒産がなくても40か月以上掛けていれば任意解約で全額戻るので、節税目的でも使われます。

国民年金基金(厚生年金の代わり)

会社員の厚生年金に相当する上乗せ年金を、自分で積み立てる制度です。

  • 掛金: 月68,000円まで(iDeCoと合算)
  • 税制優遇: 全額所得控除
  • 受給: 終身年金または確定年金

iDeCoと併用して老後の年金を厚くできます。

5. 仕事ができなくなったときの備え

傷病手当金は対象外(重要)

会社員の健康保険にある傷病手当金(月給の2/3を最長1年6か月支給)は、国民健康保険にはありません。フリーランスがケガ・病気で働けなくなったときの所得補償は、自分で民間の所得補償保険に入るしかありません。

障害年金は対象

国民年金の被保険者なので、障害が残った場合の障害年金(基礎)は受給可能です。

  • 障害基礎年金1級: 月額約8万5千円
  • 障害基礎年金2級: 月額約6万8千円
  • 子の加算: 第1子・第2子は各月額約2万円

ただし会社員の障害厚生年金(より手厚い)はありません。

6. 廃業・失業に対する公的支援

失業手当はフリーランスにはない

雇用保険に入っていないので、廃業しても失業手当はもらえません。

求職者支援制度(職業訓練給付)

廃業後に再就職を目指す場合、無料の職業訓練を受けながら月10万円の給付金を受けられる制度があります。

  • 対象: 雇用保険を受給できない求職者
  • 要件: 月収・世帯収入の上限あり
  • 期間: 訓練期間中(3〜6か月)

廃業して職を探すフリーランスはこちらが該当します。ハローワークで申請。

7. 知っておくべき節税・支援系の制度

青色申告特別控除(最大65万円)

青色申告で複式簿記・電子申告の要件を満たすと、所得から最大65万円を控除できます。所得税・住民税・国民健康保険料すべてに効きます。

小規模企業共済等掛金控除

前述の小規模企業共済・iDeCo・国民年金基金の掛金は、全額が所得控除になります。

ふるさと納税

会社員と同じく、フリーランスもふるさと納税を活用できます。控除上限額は所得・家族構成により変動するため、確定申告の前にシミュレーションしてください。

まとめ:フリーランスの社会保障チェックリスト

  • 国民健康保険の所得軽減(自動適用)
  • 出産時の産前産後保険料免除(要申請)
  • 国民年金の免除・納付猶予(要申請)
  • 出産育児一時金 50万円
  • 出産・子育て応援交付金 10万円
  • 小規模企業共済(節税 + 廃業時の退職金)
  • 経営セーフティ共済(節税 + 倒産対策)
  • iDeCo・国民年金基金(老後の備え)
  • 民間の所得補償保険(傷病時の所得確保)

会社員と違い、フリーランスは**「申請しないと使えない」制度がほとんど**です。一度時間を取って、自分が使える制度を全部チェックしてください。

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